【特集】日本の中にはいくつ原子力発電所がある?

最終更新日 2024年5月4日 by dotoch

「日本で現在、どれぐらいの数の原発が稼働しているのか知りたい」
「福島原発は現在どうなっているの?」
「今後、日本の原子力発電所はどうなっていくのか知りたい」

2011年3月1日に発生した、東日本大震災直後に福島第一原発は事故を引き起こしたことは、今でも記憶に残っている人は多いのではないでしょうか。
原子力発電所の事故は、電力の供給ができなくなることはもちろん発電所内で仕事をしている人や周辺で暮らしている人々の命や健康、そして生活を奪うものであり未だに帰宅ができない地域も残っているといいます。
グーグルマップを利用して目的地までのルートを調べる人は多いかと思われますが、グーグルマップにはストリートビューと呼ぶ機能があり人間のマークをクリックしてから道路にそれを移動させるとその周辺の様子を写真で見ることができます。
道路により表示が行われないこともあるのですが、福島県には原発の事故で帰宅ができない地域をゲートで遮るなど立ち入り禁止になっているところなど、グーグルマップのストリートビューモードにすることでその様子を目にすることもできます。

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日本の原発は2021年3月時点で稼働しているものは9基

チェルノブイリの原発事故のときも、かなりの人々が死去したなど原子力発電所の恐ろしさを感じさせたわけですが、日本の中でも同じような事故が発生したことは他国だけの出来事ではないと感じさせられる部分です。
日本の原発は2021年3月時点で稼働しているものは9基といわれているのですが、この中には定期検査中の原発も含まれます。
また、これらの原発はいずれも福島第1とはタイプが違っている、加圧水型と呼ばれるもので主に西日本エリアに集中しているようです。
東京電力は新潟県にある柏崎刈羽原発の再稼働を検討しているようですが、2021年の段階で柏崎刈羽原発の不祥事が相次いだことから地元に住む人々からの不信感が高くなっていて再稼働は困難な状況に追い込まれてます。

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日本の中で利用する電力量の約3割が原子力によるもの

ところで、東日本大震災が発生する前には54基の原発が有ったといわれていますが、日本の中で利用する電力量の約3割が原子力によるもので、電子力発電所の存在は大きいものでした。
東日本大震災直後に発生した福島第1原子力発電所の事故で、原発に対しての不信感を持つ人や不安を抱く人が多くなってきたなど原発そのものの位置づけは変化を遂げることになりました。
2022年6月時点では、大飯・高浜・美浜の3施設(関西電力)と玄海・川内の2施設(九州電力)、それと伊方(四国電力)の6つの発電所で10基のみです。
先ほども解説していますが、その多くは西日本エリアに集中しているので関西電力の発電量の多くは原発によるものなどのイメージになって来ます。

東日本大震災以降に廃炉が決定したものは21基

福島第1原発は沸騰水型と呼ばれるもので、女川(東北電力)・柏崎刈羽(東京電力)・東海第2(日本原子力発電)・島根(中国電力)などと同じですが、いずれも新規制基準に対する合格は行われているけれども再稼働は行われていないのが現状です。
それと、意外かと思われることは東日本大震災以降に廃炉が決定したものは21基など、再稼働ができない場合などでは同様に廃炉になる可能性がないとはいい切れません。

東日本大震災以降の日本の原子力発電所の動向

なお、東日本大震災を境に日本の原子力発電所は様々な動向が行われているのが特徴で、その一例をいくつかご紹介しておきましょう。
2012年5月には北海道電力の泊原発3号機が運転停止、これは42年ぶりの国内における原発稼働ゼロに相当する出来事です。
同年6月には、原発の運転期間が原則40年まで延長された、同年9月には原子力規制委員会発足、2013年7月には自然災害およびテロ攻撃などの備えるための原発の新規規制基準が施行されました。

2020年11月までの間にも、再稼働など色々な動向があるのですが2020年11月には宮城県知事が女川原発(東北電力)の再稼働に同意した、これは福島第一原発と同じ仕組みで沸騰水型としては初の再稼働です。
20年12月には、大飯原発3・4号機の設置許可の取り消し命令が大阪地裁から下された、これは国は控訴になっているものです。
比較的新しい動向の中には、2022年5月の東京電力の計画に関するニュースへの注目が集まっています。
これは原子力規制委員会が、事故を起こした福島第一原発で発生する放射性物資(トリウムなど)を含む処理水の海洋放出をする際に、必要な設備などを盛り込んだ東京電力の計画が妥当としています。
そのため、東京電力はトリウム濃度を国が定めている基準値の40分の1未満になるよう、海水を利用して希釈しこれから設置が行われる海底トンネルを利用して約1キロの沖合に放出するなどの計画です。

まとめ

この計画は一見安全に感じられるけれども、トリチウムは放射性物質ですから海水で希釈していたとしても何らかの影響があるのではないか、このように不安に感じる人も多いでしょうし、漁場を持つ漁師さんなどは大きな不安を感じてしまうのではないかなども考えられる計画です。
今後も、原子力発電所は様々な課題を迎えることになるでしょうし、日本の電力は他の方式で賄うことができないのかこのような課題も残されているわけです。