原子力発電所の作業員の仕事や収入について

最終更新日 2024年5月4日 by dotoch

原子力発電所で働く人のことを原子力発電所作業員と呼んでいます。
この作業はどのような仕事を行っているのかというと、東日本大震災により福島の原子力発電所が破損してしまいましたが、ここに派遣されて働くスタッフのことを指しています。
発電所の管理者は東京電力となっていますが、この作業員とは全く異なるものです。

 

原子力発電所作業員の作業内容

具体的な作業内容としては、発電所内で解体作業を行ったり軽作業を行います。
またその周辺においても除染作業が主な仕事となるでしょう。
作業を行う場合には、基本的に防護服を着て、放射線染料をはかる道具をつけながら作業を行うことになります。
放射線量が一定の水準に達した場合には、この道具から警告音が発生されることになるでしょう。
一定の数値に達することによって、作業は中断となります。
規定としては、年間で50ミリシーベルトまでと定められているので、作業にするにも制限が設けられています。
この数値を超えてしまった場合には、働き続けることはできません。
作業員の収入はどれくらいなのかと気になる人も多いかもしれませんが、おおよその日給は1万6000円程度とされています。
特に東日本大震災の直後の場合には、危険度は非常に高い状況であり、この時には日給10万円になることもありました。
危険度や所属する会社により、報酬の設定はさまざまであり、多くの場合日給は1万2000円から2万円ほどだと言われています。
この日給で1か月の間に22日出勤した場合には、年収が422万円ほどとなることがわかります。

 

派遣元によっても収入が変わることが大きな特徴

また派遣元によっても収入が変わることが大きな特徴です。
慢性的な人材不足に陥っていることから、全国のエリアから作業員が求められているのが現状です。
募集する派遣会社の数もかなりの数となり、元請けからかなりの会社が人材を供給している特徴があり、どの会社に入るかによって作業員の収入も大きく変わるといわれています。
下位の会社になればなるほど会社の取り分が大きくなるため、作業員の収入が低くなってしまいます。
たとえ同じ仕事であっても会社のランクにより支給される金額も異なるため、より上位の立場の会社に所属した方がよいと言えるでしょう。
原子力発電所作業員になるためにはどうすればよいのかというと、慢性的な人手不足の状態であるため、健康で体力があれば、なることは比較的容易といえるでしょう。
年齢制限は特に制限もなく、学歴も必要ありません。
インターネットや求人誌などで募集されている求人に応募して採用されれば、作業員になることはできます。

参考>>アトックスが求めている人物像とは?

 

原子力技術者や研究者などの仕事もある

また原子力と聞くと発電所のイメージが強いかもしれませんが、原子力技術者や研究者などの仕事もあります。
これは原子炉や医療機器、各種重機メーカーなどで原子力を扱う部門で設計や製造、運転、試験などの仕事を行うものです。
実際に原子力技術者が活躍する場面は非常に幅広く、原子炉やプラントなどに関連する機器の設計や試験など様々な専門分野に分かれています。
そのため活躍できる場所も電力会社をはじめとし、電気機器メーカーや機械メーカー、化学メーカーなど、さまざまな原子力に関連した部門に広がっています。
医療現場などでの応用も進んでいるため、病院や大学、様々な研究機関でも活躍することができるでしょう。
より安全で信頼される原子力を開発するために研究者にも同じようなことが言えます。
ウランを濃縮したり加工して原子炉で燃やした後に、プルトニウムなどの有用物質を回収して再加工することになります。
この時にいらなくなった放射性物質を処理するのが核燃料サイクルとよばれ、このサイクルの過程で働くのが原子力技術者となっています。

 

あると役立つ国家資格

物理学や化学、電機などの基礎工学や語学力など、大学での理工学部卒業程度の知識は必要と言えるでしょう。
原子力工学や機械工学系の学科出身者が多い特徴がありますが、原子力発電所の場合には、工業系の高校や専門学校卒業者を育成するためのコースも設けられています。
専門分野で活躍を目指すためには、さまざまな国家資格があると有利でしょう。
あると役立つ国家資格としては、放射線取扱主任者や核燃料取扱い主任者、原子炉主任技術者などがあげられます。
放射線取扱主任者とは、放射線発生装置などの取り扱いに必要となる国家資格です。
放射線発生装置を取り扱う工場には、資格を持っている人を一人以上おかなければならず、大きな活躍が見込めます。
核燃料取扱い主任者とは、核燃料物質の加工事業などの監督などができる国家資格とされています。
原子力主任技術者は、原子炉を運転する際に必要となる国家資格です。
原子力には適正な取り扱いが求められているので、正確さや精密さは非常に重要となります。
このように原子力発電所に携わる人といっても様々な分野に分かれていることがわかります。

 

まとめ

それぞれに収入や危険度なども異なり、比較的容易に仕事につきやすいものもあれば、資格が必要となる難しいものも存在しています。
原子力は医療検査や治療、工業や農業などでも広く活用されているものなので、病院や研究所、大学などでも場合によっては活躍できるでしょう。